昔を思い出す

CafeReoGroup

本当に暑いですね。。。今の事務所になって初の夏を迎えますが、内装を少し変えた事でエアコンの効きが悪く、社内でクーデターが起きそうです。。。

 

 

先日、とある取引先様と商談を行った際に、ふと昔を思い返す事がありました。

 

 

前職、プラスチック製品の企画・製造を行っていました。要は『成形』と呼ばれるものです。

「成形」と言っても幅は広く、

「ブロー成型」例:ペットボトル等

「真空成型」例:卵のパック等

「射出成型」例:食品を入れるようなタッパ等。

 

主はこの3つかなと思いますは、私は「射出成型」を主にしていました。鉄の塊で金型を作り、その金型の中に溶かしたプラスチックの原料を圧力で射出し金型の中に水を巡回させ冷やして固めるというものです。

 

金型というのは鉄の塊を削って形を作っていくのですが、理論だけではうまくいかない部分が多いです。いくらデータが完璧でも気温や湿度、原料との相性で0.1mm。時には0.0何mmという微調整を何度もテストを行い調整していきます。

 

日中に金型を削り金型屋と呼ばれるところで調整。その調整が終わり次第、1tや2tある金型をトラックに乗せ、成形会社に持ち込み、機械にセットし夜中にテスト行う。機械に金型を乗せるだけでも30分~1時間かかります。

 

うまくいかなければ、こうなったからここをこうしようと決め、テスト終わりの日の出と共に金型屋に持ち込み上記を繰り返す。

と何日も連続して同じ調整をかける事も日常茶飯事でした。

 

プラスチック本体だけではなく、例えばリボンをつけるような商品であれば、リボンの材質、色などイメージに沿ったものを何十種、何百種の中から選定したり、PKGやお店に納品する大きなダンボールの材質や厚みまで全てを商品に沿った形で決めていかなければなりません。

 

設計、金型、成形、付属パーツの品質、塗装、組み立て。それぞれ全ての部材を納得いく形まで持ってくる、頭も心も身体もフルで使う仕事をやっていました。

 

 

昔はそんなことをやっていたなと、その取引先様が作られている商品を見て、思い出すと同時に、意欲もすごく沸きました。

 

 

上記の苦労も今は協力工場様に担っていただいている部分は大きいのですが、キャラクターグッズも比較的安易に作れるような商品も多く出ています。もちろん当社もそういった商品を作る事も非常に多いのですが、私含め、スタッフも製造とは?モノづくりとは?といった事が、今作っているものが基準になってしまいますし、よりモノづくりの魅力を実経験として伝えてあげれば、今よりもっと心に残るような商品をユーザー様にも、そして作った担当にも提供できるのはないかなと思っています。

 

実経験を持っていたとしても、その環境が長ければ長い分だけ慣れてしまいますし、最近はハッとするような事が続いていたので、本当に慣れは怖いなと改めて感じると共に、皆さまも昔の事を少し思い出す事で今の発想とは違った目線で見えるものがあるのかもしれません。

 

 

 

※サムネは違った目線という事で上空からの富士山です。

 

 

 

この記事を書いた人: 高山