お香づくり

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 良い香りは生活に潤いをもたらします。
 お花、香水、アロマオイル…いろいろありますが、私は「お香」を楽しむことが好きです。特に「お寺っぽい香り」が好きで、線香を焚いて深呼吸をすると、気持ちがスーッと落ち着きます。

 

 そんなお香のことを学べるイベントに参加してきました。

 

 京都の老舗・山田松香木店の講師の方による、まずはお香の歴史のお話から。仏教とともに日本に伝来したお香は、日本書紀にも記述があります。

 

「推古三年(595年)、淡路島に大きな沈水(沈香)が漂着した。島の人がそれと知らずに他の薪とあわせて竈にくべたところ、芳香が遠くまで薫った。他の木と違うので朝廷に献上した」

 

 都ではすでに知られていたお香も、庶民が触れることはなかったようで、島の人の驚きが容易に想像できました。

 

 その後、お香の材料になる香木や香原料のお話を聞きながら、実際に手に取って、香りを確かめていきます。
 十種類以上はあったでしょうか。白檀や伽羅といった香木だけではなく、例えば、二日酔い防止に飲むウコン(鬱金)も香原料のひとつなのだそう。貝甲香という貝のかたちをしたものもありました。

 

 そして、聞香体験を経て、オリジナルのお香づくりへ。
 匂い袋や文香のなかに入れる香料を自分で調合するなんて、初めての経験です。

 

 机に並んだ数種類の香原料を、順に混ぜていきます。
 ところが、「○○を匙二杯、□□を匙半分程度」といった指示なので、会場中が戸惑いました。一杯ってどの程度!?
 それを見越したかのように、講師の方から「山盛り一杯でも、すりきり一杯でも大丈夫ですよ」と声がかかりました。私も、おそるおそる匙ですくいながら、調合します。
 いまつくっているのは、あくまで基本(ベース)になるもの。みんな同じ香原料をつかっているので、同じものができるはず…なのですが、匙加減が人それぞれなので、まったく同じものがありません。この時点で十分オリジナル。

 

 ここからさらに自分の好きなように香原料をくわえて、自分の思う薫りを探していきます。

 

 基本の白檀のほかに、甘めの桂皮(シナモン)をくわえていきます。他にも、単体ではウッと顔をしかめてしまうものであっても、足してみると香りに深みがでて、全体のバランスがよくなるので、なんとも不思議です。
 ただ、一度混ぜてしまうと減らすことができないので、緊張と期待でドキドキしながら、慎重に加えていきました。

 

 そうしてできあがった薫りは、いわく「やさしい薫り」とのこと。素敵な言葉を頂けて、すごく嬉しかったです。
 匂い袋につめた薫りも、日が経つにつれて変化していくそうで、楽しみはまだまだ続きそうです。

 

匂袋と文香
匂袋はクローゼット、文香は名刺入れに

この記事を書いた人: ほたるいか